2017年1月6日金曜日

停喪の解釈変更

 魏志倭人伝に「始死停喪十余日」という記述がある。「死に始まり、喪にとどまること十余日」と読んでいたのだが、「始め、死して喪にとどまること十余日」と変更することにした。これが岩波文庫などにある普通の解釈なのだが、どうにも納得がいかなかった。しかし、隋書地理志荊洲を翻訳して、同様の「始」の使い方があるのを知り、調べなおして、晋書賀循伝に停喪という言葉があるのを知った。「賀循が停喪、不葬を禁じた」という内容である。「不葬」は葬らないことだから、それとは少し違っている。「停喪」は最後には葬るのだが、死後しばらくはそのまま死体を置いておく、かりもがりと解釈するのが妥当だという結論に達した。
 自分の間違いを発見するのは残念だが、長年、引っかかっていたことに、やっと結論が出せた。岩波文庫の著者はそういう背景を知っていたということであろう。一般書籍レベルでは、そういうことは一切触れられていない。
 関連するファイル三つを変更する羽目になってしまった。PDFファイルも変更しなければならないがこれがちょっと面倒である。

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