2016年12月4日日曜日

国内最古の石の分銅

 2013年に、国内最古の石の分銅が見つかった。弥生時代前期末(2400年前)のもので、30年前に大阪の亀井遺跡から出土していたが、何かを粉にするすり石と考えられていたという。一番小さなものは、長さ3cm、直径1cmくらいらしい。大きなものは、長さ8cm、直径4.5cmになるようだ。こんな時代から重さを精密に量る需要があり、それに応える技術があったわけである。弥生時代の文化レベルは、これまで想定されていたよりもずっと高いということになる。
 分銅があるということは、天秤もあるわけで、8cmもある分銅を乗せる皿はそれより大きかったのだろう。人間が紐でぶら下げる形の天秤なのか、支柱を立てて支点で回転させる形の天秤なのか。後者ならもっと面白くなる。

 森岡秀人日本考古学協会理事(考古学)の話(日経新聞)
「計量技術が弥生時代前期までさかのぼるのは驚きだ。思想は中国から伝わったのだろう。」

 倭人は「自ら太伯の後」、つまり中国から移住したと言っているではないか。思想だけが歩いてきたわけではない。そういう部分を認めるのにずいぶん臆病である。

2016年12月3日土曜日

ネット評価の危うさ

 先日、メガネを買った。商店街のメガネ屋が廃業してしまったので、新しくできた「眼鏡市場」へ行った。店員が普通に応対して、普通に検眼して、今までの店と何も変わらない。最後に値段を聞いてびっくりした。21600円だという。以前の半分以下である。これほど値段の差があれば、個人商店のメガネ屋がどんどん減っていくのも無理はない。六,、七年、メガネ屋から離れているうちに、こんな価格破壊が起こっていたとは。
 ネットで「眼鏡市場」の評価を見たら、最悪である。店員の応対が悪い、できあがったメガネが合わない等々。事前にこれを読んでいたら、たぶん、行っていない。しかし、今までのメガネ屋と何ら変わりがないのは、すでに経験済みである。これは対抗メガネ店のネガティブキャンペーンかもしれない。ネット評価を鵜呑みにするのは危ないと感じた。実際に消費者が書いているという保証は何もないのである。
 できあがったメガネがひどいという評価を読んでしまったので、一抹の不安を感じながら、一週間後にメガネを受け取りに行った。別になんの問題もなく使えている。あとはレンズのコーティングが剥げたりしないかという長期使用に関する問題だけだ。五年は保ってほしい。先々代のメガネはビジョンメガネで作ったのだが、半年もしないうちにコーティングが剥げて真っ白になった。倒産したと聞いて、さもあろうと思ってものだ。ドイツ製のレンズだと言い、鉄球を落としても割れないことを見せてくれたのだが、使ってはいけないような弱点があった。別に、文句を言いにいったりしないが、見捨てる。私のような客が大半なのだろう。顧客の支持を受けないメガネ屋が店舗を増やせるはずはないのだ。