2020年11月28日土曜日

容疑者 浮上

 数年前、団地の駐輪場に停めてあった私の自転車のサドルが誰かのいたずらで傷つけられた。ほんの数時間のできごとである。恨みを買う覚えはないし、住んでいるわけではないから、私の自転車と特定されるはずもない。行きがかりの無差別犯行である。むかついた。刃物の先端を突き刺したのだろうが、通路から一、二歩中に入らなければいけないし、それなりの面倒はある。しかし、やるにしても気の小さなやつだと思っていた。意図がわからない。
 今になって、そのいたずらの容疑者が急浮上してきた。↓こやつである。
隣に停めた自転車の荷台は雨よけのビニールで覆ってあった。少し押されたような凹みがあって、その周囲はピンと張りつめられた感じがあった。翌日、見たときにはカッターで切ったような長方形の穴が開けられ片端からめくり上げられていた。次の日には、その切り口が大きく拡大されていた。人間のいたずらにしてはおかしい。
 それ以前から、カラスが駐輪場の自転車の上を飛び跳ねているのは何度か見ていた。買い物かごを狙って餌あさりをしているのだと見当がついてきた。
 サドルの傷もこいつのクチバシと考えれば、その形状と符合する。刃物なら直線状の鋭い切り口になるはず。しかし、なんで俺のサドルなんだ。食い物がありそうには見えないだろ。「♪カラスの勝手でしょ~」と頭の中に返ってくる。

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