2017年10月13日金曜日

「朝鮮紀行」 イザベラ・バード

 イザベラ・バードの「朝鮮紀行」を読む。「トリルを効かせ声を震わせて鳴く鳥のさえずりがまるでなく、カササギのおしゃべりと飛び立っていくツグミの騒がしさが、その魅惑的なコンサートのお粗末ながら代わりである。」、「城内でトラやヒョウが撃てると自慢できる首都はたしかにソウルをおいてはめったにない!」、「ヒョウはたしかに多くいて、ときにはソウル城内でもしとめられている。」、「トラが執拗に住民をさらいつづけたため、最近無人になってしまった村がある。」、「トラに対する恐怖はあまりに広く浸透し、中国のことわざが『朝鮮人は歳の半分トラを狩り、後の半分はトラが朝鮮人を狩る。』と請け合うほどである。」というような記述がみつかった。明治中期においてさえ、猛獣と隣接して住んでいる危険な土地だったらしい。

 魏志倭人伝の「牛、馬、トラ、ヒョウ、羊、カササギ無し。」という記述が際だってくる。帯方郡使もトラやヒョウに神経を尖らせて暮らしていたのである。

「ピンクのトキと斑点のある緑のカエル(トノサマガエルか?)はどこにでもいっぱいいる。」と書いてあるから、朝鮮のトキも日本と同じ道をたどったらしい。

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