2023年11月9日木曜日

後漢書の「茹」の意味

 以下の文を「魏志倭人伝から見える日本2」に付加。

「茹」は食う、菜を食う意味。「わが国ではユヅと訓じ熱湯にて煮る意」と辞書にあります。中国語では「茹(ゆ)でる」という意味はない。

魏志にある「倭地は温暖にして冬夏生菜を食う」と後漢書の「気は温腝にして冬夏菜を生じ茹す」は、

後漢書が菜を茹(ゆ)でて食べていると言っているのではなく、魏志と同じ意味を別の言葉で語っているだけである。

わかりきった文字と思っていても、日本語とは意味が異なる場合があり、油断は禁物。漢文の解釈には「手間を惜しまず辞書を引く」という地道な作業が必須である。日本文のための漢和辞典では心もとない。漢文を読むための漢和辞典を。講談社の「大字典」がお勧めである。

後漢書の気「温腝」の「腝」は日偏の「日耎(ダン)=煗」(フォント無し)が「暖」と同じなので、転写間違いで月偏になったと考える。

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